わたしが旅に出る理由
わたしの旅はビジネスバッグではなく、ショルダーバッグではじまりました。
はじめて旅に出たとき、わたしはバックパッカーという言葉すら知らなかったのです。
当時、欧米では当たり前の旅のスタイルとして定着していたに違いなかったのですが、ユーラシア大陸の東端の島国には、まだそんな旅の文化は到達していなかったのです。
だからわたしは、あの頃の日本人の多くがそうしたように、やや大きめのショルダーバッグに衣類やカメラを詰めて出かけたのです。
当時の日本で、あえてバックパッカーに近い言葉を探せば、無銭旅行者という言い方がありました。
しかしその言葉から連想されるのは、野宿も辞さないヒッチハイカーでした。
あの頃、大学生だったわたしは当然金はなかったのですが、野宿やヒッチハイクをするほどの旅の覚悟はありませんでした。
だからショルダーバッグだったのです。
それから21年がたちました。
わたしは今、やや小ぶりのザックを背負って旅に出ます。
日本人の旅のスタイルも変わったのかもしれませんが、わたしもショルダーバッグからバックパッカーに進化したということかもしれません。