調節タンパク質とは何か 4
エンドルフィン・ベプチドがその例です。
この一群の短.いアミノ酸鎖は、(その名が示すように)脳内の細胞間で信号を伝達する物質です。
特に、エンドルフィンは、痛みの有無を知らせる信号の伝達に関与する、いわば体内のモルヒネ様物質であると疹えられています。
これらのタンパク質の役目は、限定されたわずかな神経細胞間での信号伝達なので、その量は脳全体でもほんのわずかでよいのです。
このようなわけで、これまでにわかった神経伝達物質は、この種のタンパク質全体から見れば、ごく一般的なものにすぎないのかもしれません。
こう考えられる証拠は、身体全体に神経細胞がほんの数百個しかないアメフラシなどの下等生物に認められます。
人間よりもはるかに単純なこれらの生物にも、人聞の脳内に見つかったのと同じ数の神経伝達物質が発見されたのです。
これは、数十億個の神経細胞の中の1個の細胞から産生されたタンパク質よりも、数百個の中の1個の細胞から産生されたタンパク質の方が、はるかに見つけやすいからです。
つまり、十億個の脳細胞の中から、数十個のタンパク質分子を見つけ出すのはほとんど不可能といってよいでしょう。
そこで、検出できるのは、多数の神経細胞が同時につくり出したものだけです。
しかし、たとえそういった物質が見つかったとしても、その機能を正確に解明するには、量がわずかなために、分析さえできないでしょう。